「共有のExcelマスタファイルをうっかり上書き保存してしまった……」
「過去のデータを参照したいだけなのに、間違えて数値を消してしまった……」
仕事でExcelを使っていると、こうした冷や汗をかく瞬間は誰にでもあるものです。大切な原本データや、チームで共有している管理表などは、見るだけのつもりで開くことが多いですよね。
実は、Windowsのショートカット設定を少し工夫するだけで、特定のExcelファイルをダブルクリックするだけで、強制的に「読み取り専用」モードで開くことができるのをご存知でしょうか?
今回は、そんな「うっかりミス」を未然に防ぐ、プロ直伝のショートカット設定方法を丁寧に解説します。
なぜ「読み取り専用」ショートカットが必要なのか?
通常、Excelファイルを「読み取り専用」にするには、ファイル自体のプロパティを変更する方法や、ファイルを開く際にパスワードを設定する方法があります。
しかし、これらの方法は「自分だけでなく、全員が編集できなくなる」あるいは「編集するたびにパスワード入力が必要になる」といった手間が発生します。
今回ご紹介する方法は、「自分専用のショートカット」を作るだけ。
他のユーザーには影響を与えず、自分だけが安全にファイルを閲覧できる環境を作れるのが最大のメリットです。
設定手順:魔法のコマンド「/r」を使おう
結論から言うと、ショートカットの起動オプション(スイッチ)である /r を活用します。これはExcelに「Read-only(読み取り専用)で開いてね」と命令するコマンドです。
では、具体的な作成手順を3つのステップで見ていきましょう。
STEP 1:対象ファイルのパス(場所)をコピーする
まず、「読み取り専用で開きたいExcelファイル」がどこにあるか、PCに覚えさせる必要があります。
- 対象のExcelファイルを [Shift]キーを押しながら右クリック します。
- メニューに出てくる 「パスのコピー」 をクリックします。
これで、クリップボードに "C:\Users\Documents\売上管理表.xlsx" のようなファイルの住所がコピーされました。後で使うのでそのままにしておいてください。
STEP 2:Excelアプリ自体のショートカットを作成する
次に、空のショートカットを作成します。
- デスクトップの何もないところを右クリックし、 [新規作成] > [ショートカット] を選びます。
- 「項目の場所を入力してください」という欄に、Excelの実行ファイル(excel.exe)の場所を指定します。
ここが少し難しいポイントですが、一般的なWindows環境(Office 365など)であれば、以下のパスを指定してみてください。
※ここに入力するパスの例
"C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\EXCEL.EXE"
※もし見つからない場合は、[参照]ボタンから EXCEL.EXE を探すか、スタートメニューのExcelアイコンをドラッグ&ドロップしてもOKです。
とりあえずショートカットの名前は「売上管理表(閲覧用)」など、分かりやすい名前にして[完了]を押しましょう。
STEP 3:プロパティの「リンク先」を編集する(最重要!)
ここが今回のハイライトです。作成したショートカットに「読み取り専用」の魔法をかけます。
- 作成したショートカットを 右クリック し、 [プロパティ] を開きます。
- [ショートカット]タブ にある 「リンク先(T)」 という欄を見てください。
現在は、Excelアプリの場所だけが書かれているはずです。
この末尾に、以下のルールで文字を追記します。
【設定の公式】[Excel本体のパス] (半角スペース) /r (半角スペース) [STEP1でコピーしたファイルのパス]
具体的には、「リンク先」の中身を以下のように書き換えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更前の例 | "...\EXCEL.EXE" |
| 変更後の例 | "...\EXCEL.EXE" /r "C:\Users\Documents\売上管理表.xlsx" |
★重要な注意点:
/rの前には必ず 半角スペース を入れてください。/rの後ろにも 半角スペース を入れてください。- ファイルパスは、STEP1でコピーしたものをそのまま貼り付ければOKです(最初と最後のダブルクォーテーション
"もそのまま使いましょう)。
入力できたら[OK]ボタンを押して閉じます。
実際に開いてみよう
設定はこれで完了です。作成したショートカットをダブルクリックしてみてください。
Excelが起動し、タイトルバー(画面の一番上)のファイル名の横に 「読み取り専用」 と表示されていれば大成功です!
この状態でデータをいじっても、上書き保存しようとすると「名前を付けて保存」のダイアログが開き、元のファイルを誤って潰してしまうことを防いでくれます。
うまくいかない時のチェックリスト
もしエラーが出たり、普通に開いてしまったりする場合は、以下を確認してください。
- スペースは半角ですか?
全角スペースが入っていると動きません。 - 「”」で囲まれていますか?
パス(ファイルの場所)にスペースが含まれる場合、"(ダブルクォーテーション)で囲まれていないとエラーになります。 /rの位置は正しいですか?
Excel本体のパスと、開きたいファイルのパスの「間」に入れます。
まとめ:デジタル資産を守る「ひと手間」
今回の設定は、最初は少し複雑に感じるかもしれません。しかし、一度設定してしまえば、あとはアイコンをクリックするだけ。
「あ!間違えて消しちゃった!」という冷や汗をかくリスクがゼロになる安心感は、何にも代えがたいものです。
- 共有サーバーにあるマスタデータ
- 過去の月次レポート
- 複雑な関数が入ったテンプレート
こういった重要ファイルには、ぜひこの「読み取り専用ショートカット」を作成して、安全快適なExcelライフを送ってくださいね。


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